Interview
日比野克彦「僕の役割はアートをもっと世の中に機能する形で提供していくことだと思う」
「アートを定義すると"おもてなし"なんです。相手の気持ちを思いやるから表現できるのだし、理解されたいと思うから表現するんです。相手がいれば、ボールは返ってくるし、また投げようと思うもの。だから、一方的に「これは素晴らしいですよ」と誰かが価値をつけたものを鑑賞するのはちょっと違うと思うんです。明治時代にどっと西洋美術が入って来たとき、日本はアートにお手本があるという意識を受け入れてしまったんです。そもそもアートを"美術"と訳したのが間違い。アートは"術"じゃないですからね。アートにはいろいろあっていい。日本の美を伝承する人も、前衛的なことをやる人も必要。その中で、僕の役割はアートをもっと世の中に機能するような形で提供していくことだと思っています」「見立て次第で美術館の外でも面白いものは見つかります。例えば、駅の売店のガムの並べ方は凄いですよね。商品の並べ方で、売れているもの、売りたいもの、売れないものまで見えて来る。電車の中吊りもパブリックアートと呼べるかも。凄い量の情報が載ったあのぺらぺら文化=のれん文化は凄いです。このように見立てる者の力次第で、いくらでも身近なアートを発見できると思いますよ」