デジタル時代の広告主と広告エージェンシー

デジタルソリューション部では、インターネットを中心とした「デジタルマーケティング」と呼ばれる領域について、ソリューションを提供しています。
「デジタルマーケティングのソリューション提供」と言うと大仰に聞こえるかもしれませんが、「お客様の課題が何かを一緒に考え、その課題解決に向けて二人三脚で取り組んでいく」という広告エージェンシーとしての姿勢は、デジタル化が盛んに叫ばれる以前から、現在においても何ら変わりはありません。
 
しかし、デジタル化が進んだことによって、広告分野に大きなメリットがもたらされたこともまた事実です。

広告出稿は感覚的な判断に頼らざるを得なかった「デジタル化以前」

通常、プロモーションを実施するときは、まず生活者のインサイト(需要やニーズ)を想定して、課題とその解決方法に関する仮説を構築します。
そして、その仮説に対してクリエイティブと連動した施策を用いて課題解決を行うという手法が一般的です。

しかし、デジタル化以前はこのインサイトが正しいかどうかが曖昧で、その調査には莫大なコストがかかりました。
また、予算をとって調査を行い、仮説に基づきプロモーションを実施しても効果検証を行うことが難しく、仮説構築や効果検証が広告主様にとって負担になりやすい状況でした。
そのため、広告代理店側も仮説の定義付けや効果検証にはなるべく費用や時間をかけない風潮が生まれ、広告主様と広告代理店の各担当者による経験に基づく感覚的な判断に頼らざるを得ない文化が醸成されていきました。


仮説構築と効果検証が定着した「デジタル化以後」

しかし、ここ10年ほどでデジタル技術が進歩したことで効果測定が格段に容易になり、プロモーションを実施する際、仮説構築や効果検証を行うことが一般的になってきました。
デジタル時代の特徴は「データ化」ですが、このデータ化が課題抽出において大きく貢献しています

デジタル時代の定量データ活用

定量データという意味で言えば、デジタル化以前は「マス広告を実施してもどのくらいの人が見てくれたか分からない」ということが起きていましたが、デジタル広告の代表であるインターネット広告を実施した場合、何人のPCやスマートフォンで広告が表示されたか、そこから何人がクリックしてサイトに訪れたか、最後にサイト上で何人の人が買ってくれたかまで定量データを把握できます。
また購入に至らなかった場合でも、商品ページにどのくらいの時間滞在したのか、またどの商品ページが購入に影響したのか…などが定量で分かるため、次の仮設を立てる際に役立ちます。

デジタル時代の定性データ活用

定性データについて言えば、デジタル化以前は郵送によるアンケート調査などを実施しなければならなかったところ、今では様々なオンラインサーベイツールが存在するほか、本人は無自覚のうちに調査を実施することができるパネル調査などもあり、そうしたサービスを組み合わせることで生活者の本音に近いアンケート調査を実施することが可能になりました。

また、調査費用の面から見ても、TwitterなどのSNSを解析することで、デジタル化以前とは比較できないほどの少予算で「生活者が広告主様のサービスにどのように触れているのか、もしくは類似サービスをどのように活用しているのか」、「どのような需要や不満があるのか」といった生の声を探ることもできます。

これまで広告コミュニケーションにおいては、各担当者の経験に依存していましたが、こうしたデジタルツールの整備が進んだことにより、本質的な課題抽出と解決に向けたソリューションを検討できるようになってきました。
今後、広告エージェンシーは状況に応じた適切なデジタル手法やツールを提供し、広告主様から自社サービスに関する知識をご提供いただくことで、お互いが真の課題抽出を行う関係を築き、より本質的な課題解決に取り組むプロジェクトを遂行できるのではないでしょうか。

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