2026/09/25
DXコラム第5回 売上を可視化! ~QuickSightによる売上分析のこれまでとこれから~
今回は、「QuickSight」の導入記です。
DX担当社員がダッシュボード作成の裏側やこれからの課題についてお話します。
1.当社におけるQuickSightの活用方法
当社では、AWSのBIツール「Amazon QuickSight」を使って売上分析を行っています。
データの元になっているのは、当社販売管理システム「map」に登録されている契約情報の一部です。
このデータを媒体別、広告主様別、商品別、代理店様別といったさまざまな切り口で集計し、ダッシュボード上で確認できるようにしています。
必要に応じて帳票として出力することも可能で、日々の数字の確認から会議資料の作成まで、幅広く活用されています。
BIツールの最大の魅力は、グラフや表を簡単に作れることです。これまで手作業で集計していたものが、条件を選ぶだけで瞬時に切り替わる。
この「速さ」と「気軽さ」が、数字と向き合いやすくさせ、分析を加速させると考えています。
2.何も分からないところからのスタート
私がQuickSightに初めて触れたのは、AWSのワークショップに参加したときでした。
当然ながら、最初は何が何だか分かりません。データセットとは何か、分析とダッシュボードはどう違うのか、そんな基本的なところからのスタートでした。
QuickSightを理解しないとダッシュボード作成は難しいと感じ、「とにかく全部の機能を触ってみる」というところから始めました。
ボタンを一つずつ押して挙動を確かめ、ダッシュボードの作り方を一から学んでいきました。
一般公開されているダッシュボードを見て、デザインやUIを勉強したり、
ワークショップの場では他社様が作られたダッシュボードについて実装方法を質問したりして、少しずつ引き出しを増やしながら、自分のダッシュボードを組み立てていきました。
もう一つ大事だったのが、「どんな分析が必要なのか」を知ることです。
販売に携わっていない私には、現場がどの数字を見たいのか、何に困っているのかが分かりませんでした。
そこで、利用が想定される部署のメンバーにヒアリングを重ね、実際に使う人の目線でダッシュボードの中身を決めていきました。
3.高機能より、使いやすさへの方針転換
当初の私は、学んだ機能をできるだけ盛り込んで、便利で高機能なダッシュボードを作ろうとしていました。
例えばドリルダウンという機能があります。
グラフでアイコンをクリックすると、より細かい単位の数字に潜っていける便利な機能です。
ところが実際に使ってもらうと、「そこにドリルダウンがある」と知っている人、あるいはドリルダウンという機能自体を知っている人でなければ使われない、そもそも気づかれない、ということが分かりました。
作り手にとっての「便利」と、使い手にとっての「便利」は違うのだと気づきました。
それ以来、機能を落としてでも、誰もがひと目で分かる、迷わず使えるダッシュボードにすることを心がけるようにしました。
「できること」を増やすのではなく、「分かりやすいこと」を優先する。
これはQuickSightに限らず、ツール作り全般に通じる学びだったと思います。
4.残った課題 ― 属人化
「分かりやすいこと」 を心がけましたが、課題も残っています。
UIの単純化を心がけたつもりでも、それらを表示させる裏側の作り込みはどうしても複雑になってしまい、結果として「作った本人以外は手を加えられない、加えにくい」という状況になってしまいました。
修正や改善が出来る人材が限られてしまう状態は、良い状態とは言えません。
5.次のステップ ― Amazon Qの試験導入
そこで今、さらなる進化を目指してテスト的に導入しているのが「Amazon Q」です。
Amazon QはAWSが提供する生成AIアシスタントで、QuickSightと組み合わせることで、自然言語で「先月の媒体別売上は?」と話しかけるだけで答えやグラフを複数のダッシュボードから横断的に検索して回答をくれたり、ダッシュボードの内容を要約してくれたり、あるいは指示に応じてグラフそのものを作成してくれたりします。
つまり、「作り方を知っている人」でなくても、データと対話し、形作ることが可能になるツールです。
また、分析から資料作成までを一気通貫で行うAIエージェントも作成しました。
これまでのQuickSightよりも格段にできることが増え、さらに業務に貢献できるはずです。
6.目指すのは「みんなのダッシュボード」
これまでよりも簡単に、これまでよりも充実した内容で、そして他の人もいつでも手を加えられる。属人化を解消し、本当の意味で「みんなのダッシュボード」にすることが、今の目標です。
何も分からない状態から始まったQuickSightも「作る」段階から「育てる」段階に入ってきたと感じています。
更なるブラッシュアップで、社員が毎日使うような必須アイテムとなるように頑張ります。
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