シニア層への広告コミュニケーションはスマホ必須! ~東京在住のシニア層におけるスマホ所有・利用状況に関する調査~

マーケティング部では、クライアントの課題解決に向けたコミュニケーション戦略、メディアプランニング、さまざまなデータを用いた分析、マーケティングリサーチや広告効果測定などのソリューションを提供しています。このコラムでは、東京在住のシニア層におけるスマートフォンの所有・利用状況についてお伝えいたします。また、文末から調査データがダウンロード可能です。ぜひご活用ください。

はじめに

いまや、日常生活の必需品となったスマートフォン。総務省「令和2年通信利用動向調査」では、全国を対象にした調査での個人所有率が69.3%と高いスコアになっています。「スマホネイティブ」という言葉に象徴されるように若者には完全に定着しているスマートフォンですが、65歳以上の「シニア層」の利用については、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
今回のコラムでは、東京在住のシニア層におけるスマートフォンの所有・利用状況を調査し、実態を明らかにいたしました。

※以下、スマートフォンを「スマホ」と表記/65歳以上の方を「シニア層」として記載いたします。

約8割が所有!東京在住シニア層のスマホ所有率

今回の調査は、東京在住のシニア層の方を対象としました。事前調査で、東京在住の65歳以上の男女2,288人に対してスマホの所有状況を確認すると、全体の79.2%がスマホを所有していることが分かりました。ガラケーの所有率16.1%を大きく上回っており、シニア層においても「“携帯電話”といえば、“スマホ”」と言えるほどにスマホ所有が広がっている様子が伺えます。
またシニア層のなかでも若い世代ほど所有率は高く、65歳~69歳では、86.2%と高い結果となりました。

過半数が「5年以上前」!  はじめてスマホを所有した時期

本調査はスマホ所有している東京在住の65歳以上の方600名を対象に実施いたしました。
はじめてスマホを所有した時期を確認したところ、過半数を超える53.8%の方が、5年以上前である2016年以前に、はじめてスマホを所有していることが分かりました。また、2011年以前にはじめて所有した、利用年数(※)が長い「長期ユーザー」は25.8%にのぼるなど、早いタイミングからスマホを利用していた方の存在が目立ちました。iPhoneの日本での販売開始は2008年。その時期からスマホを利用していたアーリーアダプター層の存在が伺えますね!
※はじめて所有した年から2021年現在までの年数を“利用年数”と定義。

男女で違いあり! スマホ所有のきっかけ

次に、スマホを所有したきっかけについて確認しました。最も多い理由は、「スマホで使いたい機能があった」(36.3% )、続いて「周囲にスマホ利用者が増えた」(33.0%)、「家族の勧めで」(31.0%)という結果となりました。

また、男女では、所有のきっかけに傾向差があることが明らかになりました。
男性の1位は「スマートフォンで使いたい機能があった」(39.0%)でしたが、女性の1位は「家族の勧めで」(42.0%)であり、男女で違いがありました。一方、2位は男女ともに「周囲にスマホ利用者が増えたから」となりました。スマホ利用者の増加が、シニア層に対して所有のきっかけとして影響を与えていることが分かります!

多くの機能を活用中! スマホ機能の利用経験

次にスマホの利用状況を明らかにしていきましょう。まずは、スマホで行ったことがある内容について確認しました。
スマホで行える機能18項目について、利用経験を確認したところ、最も多かったのは、「電話をする」(87.5%)、続いて「メールをする」(77.0%)、「写真を撮影する」(74.3%)といった、スマホの基本機能が上位を占めました。
一方、「ニュースを見る」「天気予報を確認する」「検索する」など、スマホの幅広い機能を生かした項目の利用経験についてもスコアは高く、シニア層は、スマホの多くの機能を幅広く利用していることが明らかになりました。

※文末に全18項目の内訳を記載いたしました。

また、スマホ所有期間が10年以上の「長期ユーザー」は、調査した18項目のうち、多くの項目で全体平均より高い結果に。使用期間が長くなるほど、よりスマホを幅広く使いこなしていることも確認できました。

※文末より、全18項目の全体・性別・年代別・利用期間別のスコアがダウンロードできます。

シニア層はアクティブに検索! スマホ検索頻度

インターネットが利用しやすいことが特徴であるスマホ。シニア層において、スマホでのインターネット検索はどれくらいの頻度で行われているのでしょうか。
「毎日スマホで検索する人」の割合を確認したところ、全体(n=600)では48.8%と、ほぼ半数にのぼりました。さらに、スマホでの検索経験のある方(n=380)に限ってみると84.7%と大半で、毎日検索を行っていることが分かりました。スマホによるインターネット検索が、シニア層に身近となっている様子が伺えますね!能動的な検索をアクティブに行っていることから、シニア層においても、リスティング広告や検索につなげる広告コミュニケーションも有効と考えられます。

シニア層はスマホ利用に前向き! スマホ利用における感情

最後に、スマホを利用するときの気持ちを明らかにしました。調査では、スマホを利用する際の感情を5段階で確認し、「とてもあてはまる」「あてはまる」と回答した割合を確認。結果は、1位「スマートフォンを使うのは便利だ」(75.3%)、2位「スマートフォンをもっと使えるようになりたい」(61.3%)、3位「スマートフォンを使うのは楽しい」(45.2%)と、前向きな感情が上位を占めました。また、「スマホを使いこなすのに苦労している」という回答が31.7%ある一方で、「もっと使えるようになりたい」(61.3%)、「使いこなせてうれしい」(34.2%)といった“スマホ利用スキル向上を前向きに捉える”項目のスコアが、高い結果となっている点も着目すべきです。
このように東京在住のシニア層は、スマホを前向きな気持ちで利用していることが分かりますね!

おわりに

今回の調査では、東京在住のシニア層のスマホ所有率が約8割に上り、スマホを幅広く活用しながら、さらにポジティブな気持ちで利用しているという実態が明らかになりました。これからは、シニア層に対する広告コミュニケーションでも、スマホを活用することが有効となってきます。広告コミュニケーションでは、生活者の行動実態を把握しながら、訴求方法について検討することがとても重要です。シニア層に向けた広告コミュニケーションを検討の際は、ぜひ本コラムをご活用ください。
「スマホ機能の利用経験」全18項目のスコア一覧(全体・男女別・年齢別・利用年数別)が、下記よりダウンロードいただけます。ぜひ、こちらもご覧ください!

■調査概要
調査主体 :株式会社メトロアドエージェンシー
調査方法 :インターネットリサーチ
調査対象者:【事前調査】東京都在住の65歳以上の男女
     :【本調査】東京都在住の65歳以上の男女 かつ スマホ所有者
有効回答数:【事前調査】2,288s
     :【本調査】 600s
調査期間 :2021年7月30日~8月3日

▼東京在住のシニア層における「スマホ機能の利用経験」全18項目のスコア一覧(全体・男女別・年齢別・利用年数別) がダウンロードできます。

※「スマホ機能の利用経験」18項目内訳

・メッセージアプリを使う(LINE・メッセンジャー・プラスメッセージなど)
・電話をする(電話番号を利用した回線電話)
・アプリで音声電話やビデオ電話をする(LINE電話、スカイプ、ズーム、ハングアウトなど)
・メールをする(メールアドレスに送る文字メッセージ)
・ショートメッセージをする(電話番号に送る文字メッセージ)
・SNSを利用する(フェイスブック・ツイッターなどのソーシャルネットワークサービス)
・検索する(グーグル・ヤフー・サファリ、グーグルクロームなど)
・乗り換え情報を調べる
・地図をみる(グーグルマップなどの地図アプリの利用)
・天気予報を確認する
・ニュースを見る
・写真を撮影する
・動画を撮影する
・音楽を聴く
・オンラインサイトで買い物をする
・オンラインで予約をする(旅行、ワクチン接種、レストランなど)
・動画を閲覧する(ユーチューブなど)
・ゲームをする

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