2022/09/07
ウィズコロナ時代のおでかけ傾向が明らかに! ~コロナ禍における余暇の外出意識に対するクラスター分析~
マーケティング部では、クライアントの課題解決に向けたコミュニケーション戦略、メディアプランニング、さまざまなデータを用いた分析、マーケティングリサーチや広告効果測定などのソリューションを提供しています。このコラムでは、コロナ禍における余暇の外出意識に関するクラスター分析の結果をお伝えいたします。
はじめに
長引く新型コロナウイルス流行のなか、2022年9月の現在は、感染対策を行ったうえでのコロナと経済活動の両立が模索されており、イベントの再開や、国内旅行の需要回復の傾向が見られています。
そのような中で、人々の余暇における外出はどのように行われているのでしょうか。コロナ流行初期のように、一律の外出自粛・ステイホームではなく、一定の外出が行われつつある今、メトロアドエージェンシーでは、外出の背景にある、人々の「価値観」に着目し、生活者の外出傾向を明らかにしました。
※文末から調査データがダウンロード可能です。ぜひご活用ください。
調査概要と分析手法
調査では、首都圏の居住者(1,550s)に対して、コロナ禍における余暇の外出意識・新型コロナウイルスに対する意識について確認しました。※2022年4月実施
さらに、調査結果に対してクラスター分析を行い、コロナ禍の外出に対するモチベーションとなる価値観を因子とし、対象者を5つのクラスターに分類しました。
※クラスター分析とは、さまざまな特性をもつ集団の中から、性質が似たもので分類するという手法です。
コロナ禍における余暇の外出に対するモチベーションとなる因子(価値観)
・旅行や観光などの「非日常を楽しみたい」
・スポーツや飲み会など「アクティブに活動・交流したい」
・商業施設や路面店などへ「買い物に行きたい」
・舞台鑑賞や展覧会など「鑑賞・体験しに行きたい」
・友人や親戚と会うなど「身近な人と過ごしたい」
コロナ禍における「余暇の外出」について、5つのクラスターを紹介!
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クラスター01
気分はすでにアフターコロナ!
根っからのアクティブ&
交流好きクラスター
コロナ禍でも、趣味であるアウトドアや体を動かす外出に前向きで、大人数での飲み会にも積極的。
クラスター1の特徴
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コロナ禍における余暇の外出に対するモチベーション
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コロナ感染に対する意識
コロナ対策をきちんと行なっているが、他のクラスターよりもコロナ感染を気にしていない傾向がある。 -
コロナ禍の外出を後押しする要因
感染者数が少なく、法令発令がないことが後押しになるが、気にしている程度。 -
デモグラフィック
デモグラでは、20代の構成比が高い。趣味がアウトドア・スポーツなどアクティブな様子。
クラスター1のデータ
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全体における構成比
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男女比
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年齢構成比
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クラスター02
特別なお出かけと日常、両方大事!
大切な人と外出を楽しむクラスター
コロナ禍でも、 趣味である観光などのお出かけに前向き。また、買い物や、家族や友人など親しい人と過ごす外出への意向が高い。
クラスター2の特徴
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コロナ禍における余暇の外出に対するモチベーション
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コロナ感染に対する意識
コロナ対策をきちんと行っているが、他のクラスターよりも、ややコロナを気にしていない傾向がある。 -
コロナ禍の外出を後押しする要因
感染者数が少なく、法令発令が無いことが後押しになるが、気にしている程度。 -
デモグラフィック
デモグラでは、結婚している割合が高い。趣味が、旅行・観光の傾向が高い。
クラスター2のデータ
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全体における構成比
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男女比
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年齢構成比
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クラスター03
外出は近場での買い物で我慢!
慎重派クラスター
コロナを気にしており、外出は買い物程度にとどめている。買い物に行きたいという価値観が強いものの、コロナ禍での外出は慎重派。
クラスター3の特徴
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コロナ禍における余暇の外出に対するモチベーション
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コロナ感染に対する意識
コロナ対策を非常に行っている。他のクラスターよりもコロナを気にしており、周囲へ迷惑をかけたくない意識も強い。 -
コロナ禍の外出を後押しする要因
感染リスクが少ない状況(人数が少ない、会食が伴わない、混雑していない)であれば、外出の後押しになる。 -
デモグラフィック
デモグラでは、20代が14.6%と少ない。趣味に目立った傾向無し。
クラスター3のデータ
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全体における構成比
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男女比
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年齢構成比
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クラスター04
コロナは気になるが好きなものは特別!
鑑賞好き文化系クラスター
コロナが気になる一方で、趣味であるアート・エンタメなどの鑑賞・観劇を目的とした外出には、意向が高い。買い物での外出にも前向きな傾向。
クラスター4の特徴
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コロナ禍における余暇の外出に対するモチベーション
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コロナ感染に対する意識
コロナ対策をきちんと行っている。ある程度、コロナを気にしており、周囲へ迷惑をかけたくない意識も強い。 -
コロナ禍の外出を後押しする要因
感染リスクが少ない状況(人数が少ない、会食が伴わない、混雑していない)であれば、外出の後押しになる -
デモグラフィック
デモグラでは、女性が多い。趣味が鑑賞・観劇などが趣味の傾向。
クラスター4のデータ
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全体における構成比
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男女比
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年齢構成比
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クラスター05
コロナ感染をできるだけ避けたい!
外出自粛派クラスター
コロナを気にしており、コロナ禍での外出全般に対して意向が低いクラスター。60代が多く、高齢な同居者がいる割合も高い。
クラスター5の特徴
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コロナ禍における余暇の外出に対するモチベーション
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コロナ感染に対する意識
コロナ対策を行っている。他のクラスターよりもコロナを気にしており、感染を恐れている。 -
コロナ禍の外出を後押しする要因
感染リスクが少ない状況(人数が少ない、会食が伴わない、混雑していない)であれば、外出の後押しになる。 -
デモグラフィック
20代が少なく、60代が多い。高齢者と同居(もしくは本人が高齢者)の割合が高い。趣味に目立った傾向無し。
クラスター5のデータ
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全体における構成比
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男女比
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年齢構成比
クラスター分析から読み解くコロナ禍の生活者意識と行動
今回の調査・分析により、コロナ流行が長引く中、余暇における外出は、以下の要素が大きく影響していることが分かりました。
まずは、「コロナ感染に対する意識」です。感染対策を行いながらも、あまり感染することを気にしない傾向があるクラスター1・2は、余暇の自由時間に活発な外出を行っていることが分かります。他方、自身がコロナ感染することや周囲への影響を気にしているクラスター3・4は、気にしながら買い物など日常的な外出をしており、自身の感染を恐れるクラスター5においては外出自粛を続けています。
そして、「趣味」がある場合、その内容に関する余暇の外出意向が高くなります。もともとの趣味として、クラスター1はスポーツやアウトドア、クラスター2は旅行、クラスター4は鑑賞・観劇を趣味としている割合が高く、好きなことに関する外出は意向が高くなることが分かります。
つまり、コロナ禍における余暇の外出では、「コロナ感染に対する意識」と「その人自身のもともとの趣味嗜好」が、余暇の外出行動に大きく影響していると考えられます。
ウィズコロナ時代における広告コミュニケーション
また、ウィズコロナ時代に広告コミュニケーションを検討するには、業種ごとにターゲットとして動きやすい層が異なることを意識して戦略立案することが重要です。
クラスター1は、“人との交流”を求めており、会食の需要が高いと考えられるので、飲食業の客単価・頻度共に高くなるメインターゲットになりそうです。また、アウトドアやスポーツといったアクティビティに対して意向が高いので、グランピング・BBQ・スポーツジムなどの業種のターゲットにも最適です。
クラスター2は、旅行やおでかけに関して、特に意向が高いので、コロナの流行時でもメインターゲットとなります。クラスター2は、家族など身近な人と過ごすことを好むので、家族に特化したプランを用意することが、有効な訴求となります。
クラスター3は、コロナを気にしている慎重派ですが、買い物に対してはモチベーションが高い傾向があります。 お出かけ機会の減少の中で、“リベンジ消費”といった買い物への意向が高くなる傾向があり、消費意欲は高まっている今、感染症対策を行うことをアピールすることで、リアルな店頭への誘因につながるでしょう。
クラスター4は、“推し活”を行ったり、展覧会や美術展、映画を楽しむなど、エンターテインメント業界のメインターゲットとなる層です。買い物への意欲も高いので、鑑賞を楽しむ機会に、グッズなどの購入も期待できます。コロナ対策を発信しつつ、グッズ情報なども合わせてPRすることで、消費が活発となることが期待できます。
クラスター5のように、コロナ禍では、外出意欲のモチベーションが低い層も一定数存在します。自粛生活を送る方たちは、「おうち時間」の充実につながる、動画配信サービスなどのエンタメや、衣食住への投資に意欲的な可能性が高い方たちと言えます。
このように、各クラスターの価値観に基づく行動特性を踏まえたターゲティングを検討することが、ウィズコロナ時代の広告コミュニケーションには重要です。
おわりに
今回の調査と分析によって、コロナ禍における余暇の外出では、「コロナ感染に対する意識」と「その人自身のもともとの趣味嗜好」が、余暇の外出行動に大きく影響しているということが分かり、生活者を5つのクラスターに分類することができました。コロナ禍においても、それぞれの価値観に合わせながら外出を行っている生活者の姿が伺えます。
広告コミュニケーションにおいても、クラスター分析によって、クラスターの意識や行動特性に基づいたコミュニケーション戦略の立案につながり、これまで見えてこなかった方たちをターゲットにした訴求が可能になります。ぜひ価値観によるターゲティングについて検討してみては、いかがでしょうか。
【調査概要】
調査主体:メトロアドエージェンシー
調査手法:インターネットリサーチ
調査時期:2022年4月8日~4月11日
調査対象者:1都3県在住の男女20歳~69歳で、調査から直近1カ月以内に「余暇における自由時間での外出」を行った方
サンプル数:1,550s
上記調査結果に対する、クラスター分析を実施。
▼各クラスターにおける「新型コロナの感染に対する意識」「コロナ禍における余暇の外出‐項目別の実施率」「自身の趣味」について、スコア一覧がダウンロードできます。
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