広告貸切電車が走りだすまで

車内空間を1社の広告でジャックする広告貸切電車。乗車された経験がある方もいるかと思います。
今回はそんな広告貸切電車がどのようなプロセスを踏んで完成するのか、私たち担当者が行う業務の裏側を公開します。

皆さんは一つの広告で車内がジャックされた電車に乗車した経験はあるでしょうか。ポスター、ステッカー、ビジョンのすべてが車内で一体感を放ち、強い世界観を創出する広告貸切電車に乗ると、少し特別な経験ができたような感覚を持つ人も多いのではないでしょうか。
そうなんです。広告貸切電車は1路線で何十本も走っている電車のなかでも、数本しか存在しない特別な空間なんです。
今回はそんな広告貸切電車が走行を開始するまでに、私たち媒体担当が主にどのような業務を行っているのかを綴っていきたいと思います。
ここまで読んで「広告貸切電車って何?」と思ったそこのあなた!まずはこちらをご一読いただけますと幸いです。

広告ジャックの魅力〜"映え空間"の実現〜|コラム詳細|メトロアドエージェンシー (metro-ad.co.jp)

➀デザインチェック
まずはどのようなビジュアルの広告が掲出されるのか、デザインのチェックをします。
車内の全掲出位置に広告が露出するため、普段はポスター担当、ステッカー担当、ビジョン担当と割り振りされている私たちもチーム一丸となり全員で細部まで確認します。広告貸切電車は面で訴求を放つ通常の車内広告とは違い、空間そのものを広告とするため、乗車するお客様が「広告を見る」という行為を超え、「空間に入る」という意識をもって慎重にチェックしています。

②編成手配
同時に広告貸切電車として広告掲出をするための編成を確定させ作業当日確実に車庫内で留置してもらうため、東京メトロへ連絡し貸切電車用の編成を用意していただきます。併せて作業日程と目安の作業時間を決めます。一見「空いてる車両に広告を付けちゃえばいいじゃん。」と思われがちですが、そんなことはありません。貸切電車の広告掲出作業は通常の掲出作業以上に時間や労力がかかります。作業員の方々が安全に、スムーズに、そして確実に掲出作業を進行できるよう、その編成とスケジュールをキープする必要があり、細かなスケジュールの調整も怠ってはいけません。

➂掲出指示・納品物の確認
デザインチェックと編成手配が無事完了後、お申込をいただいた広告代理店より掲出指示書をもらいます。どのポスターが車両内のどの位置に掲出されるのか、総計で何枚のポスターが必要になるのかを、その指示書内で判断します。実際に各広告が指定された位置に掲出されたことを想定しながら確認していきます。同時に掲出されるポスターやステッカーの枚数は納品予定の枚数で十分かも確認します。
 
④作業手配
掲出指示書を作成し、作業担当者へ共有し作業依頼を行います。何月何日の何時から何時までどこで作業を行うのかを詳細に伝えます。通常のポスターやステッカーの作業は私たちメトロアドエージェンシーが行うのですが、フロア広告やイス横広告といった、特殊な箇所に掲出する場合は外部の作業会社へ依頼をします。

⑤掲出作業当日
そしてやっと迎えた作業当日。私たちが編成手配をした車両に担当者が入りポスター掲出作業を行います。外部の作業会社に依頼する場合は私たち担当者も同行します。作業監督をするだけではなく、指示書通り掲出されているか、ビジョンが不具合なく放映されているかを確認します。車内すべての広告が無事掲出できたことを確認し、いよいよ運行となります。

いかがでしたでしょうか。広告貸切電車が1本完成するまでにデザインの細部や掲出位置・枚数までを正確に確認し、さまざまな人々と調整を行い、掲出作業が安全に完了することでやっと広告貸切電車が走りだすのです。
こんなにもあらゆる工程を経て広告貸切電車が走りだした時に感じる幸福は私たちにとって非常に大きなものなのです。
皆様も広告貸切電車に乗車された場合は、ぜひぜひお問い合わせください!

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