拡散事例から学ぶ!                              SNSでも話題化する交通広告の活用術とは

Twitter上で乗降人員の約400倍にリーチ!東大前駅臨時広告の特殊展開をご紹介

■はじめに
昨年、大学入試共通テストが行われた日に東京メトロ南北線東大前駅に現れた巨大広告が大きな話題となりました。掲出期間2日間でのTwitterでの反響を調べてみると、ツイート数は22,503、リーチ数は15,943,635(※1)。東大前駅の1日平均乗降人員は約2万人(※2)、掲出期間で換算すると約4万人であることから、Twitterを介して約400倍のリーチを獲得したことが分かります。結果、駅にいた受験生だけでなく、多くの人の心を打つ展開となりました。受験シーズンに大々的な広告展開を行い、受験生を応援することは特段珍しいことではありませんが、なぜ今回の広告展開はここまで話題化するに至ったのでしょうか。その秘密を、本コラムでは紐解いていきます。

1 ソーシャルリスニングツール「ブームリサーチ」を活用し、弊社で集計・分析を実施。本コラムで取り上げる「リーチ数」とは、ツイート・リツイートした全ユーザーのフォロワー数の合計を指します。

2 出典:東京メトロホームページ「各駅の乗降人員ランキング(2021年度)」

■広告内容
2022年1月15日(土)~1月16日(日)、東京メトロ南北線東大前駅のコンコースに掲出された、株式会社 明治「明治プロビオヨーグルトR-1」の巨大広告。体調管理を支えるヨーグルトとして、受験シーズンなど体調に気を付けなければいけない時期にはよく取り入れられる商品ですよね。大学入試共通テストの受験会場となっている東京大学へと繋がる駅構内の導線に、「いつも通りやるだけや」「まぁ気楽にやったらええけん」といった、受験に挑む受験生へ向けた応援メッセージの数々が立ち並んでいました。受験生は、こうした激励を受けながら会場へ向かっていったのです。しかしこの展開、応援メッセージだけに留まらず、別の一面を持っていました。
受験を終え、帰宅の途につく受験生が行きと同じ場所を通ると、今度は「ほんと、よくがんばったね。」「今夜は焼肉よ」といった労いのメッセージが現れていました。これは、受験に向かう往路では見ることができなかったもの。どうやら、行きと帰りでメッセージが変化したようです。


■SNS上でバズったワケ
では、この広告がバズったワケを媒体活用の視点から整理してみましょう。それには、以下3つの要因があると考えられます。


1.【エリア】受験といえば…で想起される場所での展開
1つ目は「エリア」。大学の最高峰である東京大学。入試会場としても使われており、多くの報道陣が集まることでも有名です。「受験」に関する広告を、受験シーズンに最も注目が集まる東京大学の足元「東大前駅」で実施したこと自体が話題化のポイントだと考えられます。さらに、「臨時集中貼り」という臨時広告を活用し、広告掲出場所を指定。東京大学へと繋がる駅構内の導線上に配置できたことも大きい要因といえます。
今回のように、何かの舞台や聖地など、親和性の高いエリアに掲出することで、広告内容が自然と受け入れられやすいというメリットがあります。エリアが持つイメージや特性を利用し、話題の拠点を作ることができるのは、リアルメディアならではの価値と言えるでしょう。

2.【タイミング】世の中の話題量と連動した広告掲出
2つ目は「タイミング」。通常「1週間」「1ヵ月」という単位での掲出が多い交通広告ですが、実は掲出期間をカスタマイズすることもできます(広告料金は、各媒体の掲出単位ごとに発生します)。本事例ではあえて、2022年1月15日(土)~1月16日(日)に絞って広告を掲出しました。1年の中で最も受験に注目が集まり、話題量も増える「大学入試共通テスト」に照準を合わせたのです。このように、世の中への露出量が増え、盛り上がるタイミングに合わせて交通広告を掲出することで、話題の波に乗りやすく拡散されやすいと考えられます。

3.【クリエイティブ】受験生の心情×移動者の特性を捉えた表現手法
そして3つ目は「クリエイティブ」。1,2では媒体の活用術について触れましたが、見た人に与えるインパクトや意図通りに心を動かせるかについては、クリエイティブの力によるところが大きいでしょう。冒頭の広告内容でも触れた通り、本事例では行きと帰りで見えるメッセージが異なっていました。緊張しながら受験会場に向かう「行き」と、試験を終えホッと一息つく「帰り」では当然、受験生の心持ちも違いますよね。時々の心情に寄り添ったメッセージを、親からのエールとねぎらいという形で的確に表現した展開となっています。さらに、これを実現する手法として「ベローズプリント」という特殊印刷を用い、見る角度によってメッセージを変化させたのです。移動が伴う交通広告の特性をうまく活用し、現地で広告を目にした人はもちろん、SNS上で見た人の心まで打つ展開になっていたわけなのです。


■終わりに
本コラムでは、SNSで拡散され、駅利用者以外の多くの層にリーチした「明治R-1」の広告事例を取り上げました。交通広告は、掲出期間が短いことやエリアが絞られていることで、「今、ここでしか見ることができない」という限定感を醸成することが出来ます。さらに、本事例のように、考え抜かれた「エリア」「タイミング」「クリエイティブ」が掛け合わせることで、「思わず写真を撮りたくなる、SNSに投稿して拡散したくなる」といった行動を助長することが可能になります。是非、告知したい内容と親和性の高い駅での広告掲出や特殊なギミックなどを施した手法で、話題化が期待できる広告展開を検討してみてはいかがでしょうか。


■媒体概要
本事例でもご活用いただいた臨時集中張りは、階段やエスカレーター横の壁面、コンコース上などあらゆる場所で展開できる広告。普段は媒体がない場所だからこそ、掲出時のインパクトがより際立ちます。更に1駅1社独占で使用することもできるため、エリアの特性に合わせ、集中的にアプローチすることが可能です。
・南北線東大前駅臨時集中貼り B0×28枚 1,260,000円/7日、B1×1枚 23,000円/7日 (※広告料金は2022年度時点のものです。)

臨時集中貼りの詳細については、こちらをご覧ください。(PDFファイル)

※詳細は下記フォームにてお問い合わせください。


■掲載協力
株式会社 明治
赤ちゃんからお年寄りまであらゆる世代のお客さまに向けて、粉ミルク、牛乳、ヨーグルト、菓子、チーズ、スポーツ栄養、流動食など幅広い商品を提供しています。品質への取り組みを日々強化し、安全・安心な商品を提供するとともに、強みである研究開発により新たな価値創造に挑戦し続け、お客さまの「健康な食生活」に貢献しています。
「明治プロビオヨーグルトR-1」は、明治の乳酸菌研究の中で選び抜かれた「1073R-1乳酸菌」を使用したヨーグルトです。2009年12月1日の発売以来、体調管理を気遣う多くのお客さまにご好評いただいております。


■関連コラム

「SNSでの話題化を見据えたOOHプランニングのすすめ」こちらをご覧ください。

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