いまこそ使える!「交通広告」のメリットについて

マーケティング部では、クライアントの課題解決に向けたコミュニケーション戦略、メディアプランニング、さまざまなデータを用いた分析、マーケティングリサーチや広告効果測定などのソリューションを提供しています。このコラムでは、「交通広告」を活用するメリットをご紹介させていただきます。

※本コラムは、2019年4月18日に公開した記事をもとに、2023年のデータへ更新したものです。

多様なコミュニケーション手段が存在する現代

テクノロジーの発達による社会の変化により、いま広告コミュニケーション手段は多岐にわたっています。ウェブ、テレビや雑誌、新聞、イベントなど、さまざまな選択肢が広告コミュニケーションの手段として存在しており、目的に応じて特徴を踏まえて選択していく必要があります。

気になる!交通広告のメリットについて

「交通広告」について、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。“見たことはあるけれどどうやって検討していいか分からない”、“どんなメリットがあるのか”…など、気になる点もあるかと思います。

「交通広告」は、人々の日常に密接したメディアです。屋外広告をOOH (Out Of Home )メディアと称しますが、そのうちの1つで、日常の導線上にあり人々がスキマ時間で“ふと”目にする機会があるメディアと言えます。鉄道広告には、電車内の中づりポスター、駅構内のデジタルサイネージなどがあり、特徴としては「高い到達力」「反復訴求」「エリア性のあるターゲットセグメンテーション」「強制視認性」などが一般的に挙げられます。(下図参照)

交通広告の特徴
交通広告の特徴

「交通広告」は電車利用が多い東京など都市部の生活者への訴求に有用なメディアです。都市部の生活者における1週間あたりの媒体接触率は、電車利用が46.8%と、インターネット(97.8%)、テレビ(83.3%)に次いで高くなっています。また、雑誌(8.4%)や新聞(26.1%)に比べるとその差はかなり大きいことが分かります。(下図参照)

これらの特徴以外に、メリットを更に3点ほど挙げましたので、このあと紹介いたします。

対象:東京50km圏の12~69歳男女個人 (n=4,820) ※出典:株式会社ビデオリサーチ「SOTO/2023」
対象:東京50km圏の12~69歳男女個人 (n=4,820) ※出典:株式会社ビデオリサーチ「SOTO/2023」

交通広告のメリット① 「“嫌われにくい”メディア 」

スマホやPCへのアドブロックの使用の高まりについて耳にしたことがあるでしょうか。スマホの画面をさえぎって現れる広告や、執拗に表示されるターゲティング広告に不快感を抱く人がいるように、広告はコミュニケーションの取り方次第で、ともすると嫌われる対象となってしまいます。ゆえに、“広告がどのように生活者と接触するか”という観点はとても重要です。その観点では「交通広告」は反復接触を行っても比較的ナチュラルに受容されやすい特徴があります。多くの人が通勤や通学で日常的に利用する空間に存在し、同じ広告を毎日見ることが違和感なく行われます。また公共交通機関に掲出されるため、広告内容に信頼感が伴う特徴もあります。生活者にとって反復接触の抵抗が低い状態で、フリークエンシーを重ねることができるため、コミュニケーションの深化が期待できます。このように「交通広告」は、反復接触をポジティブに行うことができるメディアです。

交通広告のメリット② 「新規ユーザーの創出・獲得に効果的」

インターネットの検索履歴やSNSの情報により精緻なターゲティングが可能となったデジタル時代。一方、生活者がこれまで出会ってきていない領域に対しては、検索に至る“きっかけ”が必要です。人から聞いた話やメディアで見た情報など、“偶然の出合い”をきっかけとして商品・サービスを認知した経験は、誰しもあることかと思います。(私も、電車のドア横ポスターの書籍広告を見て気になっていた本を、先日買ってしまいました…)「交通広告」は、新規で認知の間口を広げることに対して効果を発揮します。

また「交通広告」は、オフラインのみならず、オンラインの送客にも効果的です。電車内では多くの人がスマホを利用しており、すぐに検索を行うことのできる環境がありますので、「交通広告」は、鉄道利用者に対して商品やサービスの認知獲得のきっかけとなり、オンラインに送客するweb施策の補完としても活用することが可能です。

交通広告のメリット③ 「“リアル”な出合いがもたらす強烈なインパクト」

手のひらのなかのスマホから、さまざまな情報にすぐにアクセスできる現代。バーチャルな出合いが無数に用意されている一方、リアルな空間やイベント体験がSNSの普及とともに注目されています。

日常の空間での予想外の出合いは、生活者に強い印象を残します。「交通広告」はOOHメディアとして、日常の空間のなかに驚きを生み、印象的なメッセージを伝えることが可能です。素材を工夫した中づりポスターや、車内の床面にシートを貼るフロア広告などの特殊な掲出方法、駅のスペースを使ったイベントなど、リアルな場における接触は表現次第で、生活者にとって強くインパクトを残します。また、デジタルサイネージでは、SNS投稿・天候・在庫情報などの外部データとの連携を行うことで、ダイナミックデジタルOOHとして「そのとき、その場所、その人」に合わせたクリエイティブを表現することが可能となりました。

さらに、SNSでの発信によって広告接触者以上に広告が広がるという点も「交通広告」のメリットです。そのインパクトはSNSの発信に繋がり、投稿されたTwitterなどSNS発で話題となり、ネットニュースに取り上げられる事例も少なくありません。多くの生活者が、日常の発見を発信する手段を持ちあわせる現代だからこそ、「交通広告」の特性を生かした展開が期待できます。

参照:【メトロ アド レビュー】VOL.20「都会のなかで"ほっこり"しちゃおう。思わず触りたくなる広告。」

おわりに

活用次第で可能性が大きく広がる「交通広告」ですが、“鉄道”という公共交通機関を対象とするゆえ、細かなレギュレーションが存在します。そのため広告代理店には、アイデアの発想に加えて、そのアイデアを実現するための電鉄各社・媒体社との専門的な調整力が求められます。
ひとくちに「交通広告」といっても、リッチメディアとしての車内ビジョン、リアルタイム配信が可能な駅デジタルサイネージ、インパクトのある特殊展開ができる中づりポスターなど、メニューによって活用方法はさまざまです。

ご紹介させていただいたメリットが課題解決の手段として有用な際には、ぜひ「交通広告」をご検討いただければと思います。
次回のコラムでは「交通広告」のなかでも、東京に特化して訴求可能な、東京メトロメディアについてご紹介いたします。 

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