シニア層のオンラインサービス利用実態 ~東京在住のシニア層におけるスマホ所有・利用状況に関する調査(2)~

マーケティング部では、クライアントの課題解決に向けたコミュニケーション戦略、メディアプランニング、さまざまなデータを用いた分析、マーケティングリサーチや広告効果測定などのソリューションを提供しています。このコラムでは、東京在住のシニア層におけるオンラインサービスの利用状況についてお伝えいたします。また、文末から調査データがダウンロード可能です。ぜひご活用ください。

はじめに

前回のマーケコラムでは、東京在住のシニア層におけるスマホ所有・利用状況を調査しました。その結果、東京在住の65歳以上のシニア層において、79.2%がスマホを所有していることが分かりました。また、スマホの機能を幅広く利用しており、スマホで検索をアクティブに行っていて、スマホ利用に対してポジティブな気持ちを持っているなど、シニア層がデジタルライフに積極的である様子が明らかになりました。

前述の調査の中から、本コラムではオンラインサービスとSNSの利用状況についてお伝えします。スマホ利用に限らない、シニア層のデジタルライフをさらに掘り下げていきます。 ※対象者は「東京在住65歳以上のスマホ所有者(n=600)」です。

 

シニア層のオンラインサービス利用経験率は?

まず、シニア層のオンラインサービス利用状況について見ていきます。調査の回答は、サービス利用時の利用デバイスは問わず、スマホ以外のデバイスでの利用も対象としています。(※以下の設問についても同様)
オンラインショッピングや、旅行のオンライン予約など馴染みのあるものから、コロナ禍で話題のオンライン診療など、日常を支えるオンラインサービス。シニア層における利用経験は、どのような結果となるのでしょうか。

経験率が最も高かったオンラインサービスは、オンラインショッピング(77.7%)でした。続いて、旅行のオンライン予約(51.3%)が高く、半数以上利用経験があることが分かりました。調査時点(2021年7月末から8月上旬)では、ワクチンのオンライン予約(46.7%)も半数に近い方が自身で利用していました。

また、利用経験率が半数を超えた「オンラインショッピング」と「旅行のオンライン予約手配」について、男女別でスコアを確認すると、いずれも男性において利用経験率が高いことが分かりました。

※文末より、オンラインサービス利用経験率について、全体・性別・年代別のスコアがダウンロードできます。ぜひご活用ください!

シニア層はオンラインショッピングで何を購入している?

シニア層で約8割の利用経験があることが明らかになったオンラインショッピング。
さらに深掘りするため、オンラインショッピング経験者のシニア層(n=466)に対して、購入したことがあるものについて確認しました。
最も多かったのは、日用品で75.3%でした。次に食品(生鮮食品を除く)が73.0%、家電が71.0%と続きます。本や服についても半数以上の方に購入経験があり、シニア層のオンラインショッピング利用者は幅広い商品ジャンルを購入していることが明らかになりました。

東京在住のスマホ所有シニア層は、主要SNSを知っている!

続いて、SNSや、動画・音楽の配信サービスについて名称の認知率と利用経験率について確認しました。
まずSNSについて見てみましょう。スマホ所有している東京在住のシニア層におけるSNSの名称認知率は、YouTubeで96.3%、LINEで96.2%、Twitterで94.0%、Facebookで93.7%、そしてInstagramは90.0%と、9割を超える高いスコアとなりました。TikTokに関しては若干スコアが下がるものの78.5%であり、シニア層は多くのSNSの名前を知っているということが分かりました!
利用経験率に関しては、LINEが73.2%、YouTubeが69.5%と、約7割が利用している一方で、その他のSNSに関しては、利用経験率は4割以下にとどまることが分かりました。
主要なSNSについて、おおむね9割の名称認知率とは驚きの結果ですね!スマホ所有している東京在住のシニア層は、SNSに対して感度が高い様子が明らかになりました。

また、各SNSの利用者に対して、そのSNSに投稿をしたことがある経験を確認したところ、最も高いスコアとなったのはFacebookで61.0%でした。シニア層のFacebook利用者は、ただアカウントを所有しているだけではなく、実際に投稿まで行うアクティブな利用をしていることが明らかになりました。

シニア層の6割以上が、主要な動画配信サービスを知っている!

次に、動画・音楽の配信サービスについて名称認知率と利用経験率を確認しました。
コロナ禍のおうち時間増加で、利用が増えている動画・音楽の配信サービスですが、どのような結果となるのでしょうか。

動画配信サービスに関しては、対象としたサービスは、いずれも6割以上のシニア層が名前を知っていることが分かりました。最も認知率が高かったのは、Amazon Prime Videoで84.7%でした。Hulu(72.7%)、Netflix(67.5%)は、約7割という結果となりました。利用経験率については、Amazon Prime Videoが30.2%でしたが、それ以外のサービスは約1割にとどまりました。
多くの動画配信サービスをシニア層は認知しており、オンラインでの動画視聴が浸透してきていることが分かりますね!

音楽配信サービスについては、名称認知率が、Apple Musicは57.0%と過半数を超える一方で、Spotifyは約半分の27.7%でした。また、利用経験率はいずれも5%以下となりました。
東京在住のスマホ利用をしているシニア層は、多くの動画・音楽配信サービスを広く認知している様子が明らかになり、今後の利用拡大につながることが期待されます。

※文末より、SNSと動画・音楽配信サービスの利用経験率について、全体・性別・年代別のスコアがダウンロードできます。ぜひご活用ください!

おわりに

今回の調査では、スマホ利用をしているシニア層においては、オンラインショッピングを約8割の方が実施しているなど、オンラインサービスをアクティブに利用している姿が明らかになりました。
そして、主要なSNSが知られている事が分かり、SNSがシニア層にとって身近な存在となっていることが明らかになりました。動画の配信サービスについても6割以上が認知しており、この先の利用拡大につながることが期待されます。
このように、シニア層も活発なデジタルライフを行っている現代。広告コミュニケーションにおいても、シニア層にとってデジタルは重要なタッチポイントとなります。

シニア層に対するアプローチを検討する際は、本コラムや、下記のシニア層のスマホ利用に関するコラムをぜひご参考いただけますと幸いです。

「シニア層への広告コミュニケーションはスマホ必須! ~東京在住のシニア層におけるスマホ所有・利用状況に関する調査~」

■調査概要
調査主体 :株式会社メトロアドエージェンシー
調査方法 :インターネットリサーチ
調査対象者:【事前調査】東京都在住の65歳以上の男女
     :【本調査】東京都在住の65歳以上の男女 かつ スマホ所有者
有効回答数:【事前調査】2,288s
     :【本調査】 600s
調査期間 :2021年7月30日~8月3日

▼「オンラインサービス利用経験率」「SNS利用経験率」「動画・音楽配信サービス利用経験率」について、スコア一覧(全体・男女別・年代別) がダウンロードできます。

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