SNSから読み解く!コロナ禍の最新お出かけニーズ

マーケティング部では、クライアントの課題解決に向けたコミュニケーション戦略、メディアプランニング、さまざまなデータを用いた分析、マーケティングリサーチや広告効果測定などのソリューションを提供しています。今回はSNS分析を通じて分かったコロナ禍のお出かけニーズとお出かけ意欲を醸成するコミュニケーションのポイントについてご紹介します。

はじめに

コロナウイルスの流行が始まって早3年。感染対策と経済活動の両立が模索されており、10/11から全国旅行支援が始まるなど、お出かけ促進の動きも活発化しています。年末年始の長期休暇に向けても動向が気になるところです。そのような情勢の中、人々はお出かけマインドはどうなっているのでしょうか。以前のマーケコラムでは、クラスター分析で生活者を分類し、ウィズコロナ時代のお出かけ傾向について明らかにしましたが、本コラムでは、生活者のホンネが見える「SNS」を通じて、コロナ禍の最新お出かけニーズを紐解いていきます。

Twitterはニーズ探索の宝庫!

SNSの中でも、リアルタイム性が高く、テキストから文脈の把握ができるTwitterに着目します。ソーシャルリスニングツールを使い、コロナ禍の外出意向を含むキーワードを独自に設定しオーガニックツイート(※)を分析。2カ月で10,709件ものオーガニックツイートが見られるなど、Twitterにはお出かけに対する“ホンネ”が集まっていました。今回、生の声を探ることで、以下のことを明らかにしました。

・「行きたいけど我慢している」「こうだったらいいのに」といった、お出かけへの願望や生活者の心の機微
・「大阪」「ディズニー」など具体的なお出かけ先候補や一緒に出かけたい同伴者の存在
・時期ごと、時間帯別で見えるお出かけ関連ツイートの傾向

ここからは、よく呟かれている単語である「頻出関連語」と「時系列」の2つの視点から見るお出かけニーズと、コミュニケーションへの活かし方をご紹介していきます。

リツイートでもリプライ(返信)でもない、RTや@が入らない通常のツイートのこと

「頻出関連語」から読み解くお出かけニーズ

まず、分析対象と一緒によく呟かれていた単語 (=頻出関連語)から、コロナ禍の今、どんなところに行きたい・行ってみたいと感じているのかを見ていきます。

頻出関連語トップは「旅行」

最もよく呟かれていた単語は「旅行」でした。内容としては、旅割や県民割などの旅行支援を活用したい、国内に留まらず海外旅行をしたいなどの声が挙げられました。海外旅行については直近での検討ではなく、“コロナがなかったら”という仮定、“収まったら”という未来に向けた願望の文脈で語られていることが分かります。

「世の中の情勢」と「自分の欲求」の間で葛藤

カラオケ・ライブなど、どうしても密になってしまう場所へ行くことに対するハードルは、比較的高いようです。ツイートでは「そろそろ行きたい」「行っていいのかな」といったタイミングを窺う文脈や、同居家族など近しい存在への配慮など、情勢と自らの欲求との葛藤の様子が垣間見えました。
最近では施設やお店での感染対策は当たり前になってきました。しかし、お出かけ意欲を醸成するためのコミュニケーションの場合には、感染対策が万全であることを、ターゲットの関心事に合わせて重点的に発信することが重要です。

具体的な地名や一緒に行きたい人を挙げ、お出かけ検討中

「大阪」「北海道」「ディズニー」なども関連語上位に挙がり、コロナが落ち着いたタイミングで行きたい具体的な行き先を検討している様子も見られました。また、「家族」「一緒に」など、同伴者を表す単語も多く出現し、誰かと一緒に出かけたいというニーズも見受けられました。分析で見えた具体的な場所や人を手掛かりに、コミュニケーションを検討することも有効ですね。
※文末から、頻出関連語など分析データの詳細がダウンロードいただけます。

「時系列」で読み解くお出かけニーズ

続いて、時系列別のオーガニックツイート数という視点で見ていきます。

8/31にツイート数が最多

分析期間中(2022/8/31~2022/10/31)の2カ月の中で、最もツイート数が多かったのは8/31でした。その後、どんどん下降傾向にあります。分析期間の中で最も感染者数が多かったのが8/31で、その後減少していることから感染者数とツイート数には関連性がある可能性が高いです。感染者数が多いとお出かけを我慢したり控えたりする傾向があり、不満やニーズが呟かれやすいのではと推測できます。感染者数が多い時にTwitter分析を実施しニーズを把握、数か月後のお出かけ訴求の方向性や広告戦略を検討することが重要だと言えそうです。

お出かけツイートの山場は夜

時間帯別でツイート数を比較すると、20時~21時が山であり、「夜」にお出かけしたい気持ちが表出しやすいことが分かります。一般的なTwitterの利用傾向やアクティブ率に準じる結果となりました。お出かけ先を具体的に検討する・検索するというアクションにもつながる可能性もあり、夜の時間帯はコミュニケーションの狙い目と言えます。

分析結果から見える、お出かけ意欲を醸成するコミュニケーションとは

最後に、ここまで紹介してきた分析から見えたお出かけ意欲を醸成するコミュニケーションについて触れていきます。頻出関連語から具体的な候補先や同伴者を特定することで、「年末年始に行く北海道」「家族で出かける○○」など、シチュエーション別で訴求することができ、興味関心を高めることができると考えられます。また、時系列ではお出かけニーズが表出しやすく、検索需要が高まると考えられる「夜」の時間帯にアプローチすることも重要です。時間帯を選んで出稿できる広告の活用がおすすめです。ウェブ広告では配信時間を指定できることは有名ですが、実は交通広告でも時間帯を選んで出稿できるメディアがあります。

東京メトロでは、M Station Visionという丸ノ内線のホームビジョンで、モーニング・デイ・ナイトの中から選び、広告を放映することができます。ナイトでは18:00~23:00で放映するため、ニーズが高まる時間帯にピンポイントで訴求できます!前述のシチュエーション別での広告訴求を、夜の時間帯に集中投下することも効果的と言えそうです。

おわりに

ここまで、Twitter分析を通じて見えたコロナ禍の最新お出かけニーズとそれを踏まえたコミュニケーションについてご紹介しました。生の声を分析することで、コミュニケーションに活きる具体的な示唆が得られます。もちろん今回取り上げたお出かけ以外にも、様々なトピックで応用可能です。ツイートを分析することで、自社商材の強み把握、競合との比較といった現状把握、施策の反響ウォッチによる効果検証などに役立ちます。Twitter分析ならびに示唆出し、コミュニケーション戦略の立案については、ぜひメトロアドエージェンシーまでお気軽にご相談ください!

分析概要

・分析ツール :ブームリサーチ
・分析対象期間:2022/8/31~2022/10/31
・分析対象  :「コロナ」&「に行きたい」、または「コロナ」&「行ってみたい」
        というキーワードを含むオーガニックツイート
        ※収集したデータを精査し、お出かけと無関係なツイートは除外
・分析数   :10,709件

関連コラム

ウィズコロナ時代のおでかけ傾向が明らかに! ~コロナ禍における余暇の外出意識に対するクラスター分析~

コラム一覧に戻る